by jun | 2018/08/31


1990年にスティーブミンチさんが書いた本。
レイコスビー、ビルグッドウィン、トミーワンダー、ジェイサンキー、デビッドロス、ダローといったみんな大好きのマジシャンのネタを集めた本で、とても読み応えがあります。
内訳的にはカード12、コイン5、その他クロースアップ6、メンタル4、ステージ2って感じです。
カード中心にいくつか紹介します。

The Cinderella Card-Stab

リサメナさんのカードスタッブからカードインシューズ。
カード2枚選ばせてデックに戻して床に広げて、1枚はヒールでぶっ刺して2枚目は靴の中から4つ折りで出てくるシンデレラストーリー。

かっちり構成で条件さえ整えば間違いない最高なマジックです。
最近だとデック全体が靴の下に移動したり、色々くっつくパフォーマンスも見ましたが、普通に2段落ちでも十分かと思います。
なんせヒールで探すビジュアルがかっこいいですし、1段目でビジュアルなインパクトを与えておくとオチの移動の意外性も増します。

The Tsunami Card Rise

ルディーコビーのライジングカード。
上がってくる感じはめちゃくちゃ良くて、そこまでいけば簡単にできます。
問題は非常に角度に弱く、クロースアップではちょっと厳しいことです。
直前のハンドリングは思ったほど無理はでませんが、角度に気を使わないといけないシチュエーションだとかなり変な動きになります。
津波っていうか忍者っぽい。

Deadlier than the Male

Geoff Lattaによるサンドイッチカード。
1段目はパスザサンドイッチで2段目はカードを突き出した状態でのアンビシャスからのサンドイッチです。
サンドイッチカードがカードを探すという体で、一瞬で捕まえにいく1段目との相性は良い構成だと思います。

クリスケナーのシフティ以前なのでアンビシャスライジングパートはパスを使うのですが、複数回に分け、それぞれ別の方法でパケット移動をカバーするのがちょっと賢いです。
賢いですけど基本はパスのパワー勝負。
斜めに突き出した状態だと指が中央に寄ってパスしにくいのですよね。
構造的にシフティも使えないし鍛えるのみです。

The Face-Up Rub-a-Dub-Dub Vanish

ジェイサンキーの表向きラブアダブダブ。
デック全体を表にしてもできるし1番上だけを表にしてもできます。

綺麗に消そうと思うとかなり難しく、音と左手の形がかなり気になる感じ。
あとタイミング合わせないと見えなくてもまんまの想像をされると思います。
なんかでサンキーがやってる映像見たけどあれはうまかった記憶。

Color (Re)Set

Louis Falangaさんのリセット。
赤裏4枚青裏4枚のジョーカーの色が入れ替わって、最後は赤が消えて緑色4枚出てくる松田道弘感のあるエンディングです。
カードは8枚しか使わないのですが、その分最初にあれしなきゃいけないのがあれ。
デック2つ出してそっからジョーカー抜いて最初のあれを省略したいところです。
変化もあれを使うので全体的にあんま好みではなく、フェイスを統一する意味もそんなに感じられないので、ちょっと頑張ってエース4枚とかでやりたいとこですね。
このままやると高確率でカウントおじさんになってしまいそうで怖いっす。
リセットやサトルティ色々知ってれば置き換え可能な手順ではあるので、頑張りたいところです。

Never the Twain Shall Mix

レイコスビーのオイルアンドウォーター。
映像化もされたやつですね。

エキストラなしの4-4で、テーブルを使わず演者の手に観客と一緒に混ぜていく方法。
重ね方がフェアかどうから微妙なところですが、普通に重ねるとこと結果を見せるパートがあるので、テーブルを使えないシチュエーションだと強いです。

A Case of Mistaken Identity

レイコスビーのThe Coffin Changeを使ったビルグッドウィンの手順。
カードケースに入れた1枚のカードと、カードケースの外の4枚のKが入れ替わります。
ほんとグッドウィンさん枚数ごとトランスポジションさせるのお好きですね。

荒木一郎さんの舶来カード奇術あらかるとで「ミラクル・ボックス」として紹介されている手順で、荒木さんはコフィンチェンジは日本人の手だとやりにくいと書いてましたが、起動的にはカーディニチェンジのようなものだしカバーの仕方次第という気がします。

The Double-Lift Pass

リチャードカウフマンによるハーマンパスのバリエーション。
1番上にも1番下にもありませんねーという動きの中でやっちゃう感じ。
パス中にトップカードを分離できるので、サンドイッチカードやトップカードがセレクトカードに変わる系のなにかと相性良さそうです。

てか、これとほぼ同じ動きでできるトップカバーハーマンパス的なものって誰も正式に発表してないんでしょうか。動画とかでやってる人は見たことありますが、ちゃんとしたやり方あるのですかね。
動き的には普通のトップカバーパスの方が早いけど、ハーマンパスだとカバーするカードを増やせて好きな枚数目にコントロールできるので使い所はありそう。

Counterfeiter’s Spellbound

トミーワンダーの2枚スペルバウンド。
演出の勝ちと言った感じで、その流れに全く無駄がないハンドリングをお客さんの手使いながら実現しててトミーワンダーとしか言いようがありません。

Elbow, Knee and Neck

ダローさんのスリーコイン。
左手に3枚持って握ると一枚ずつ肘、膝、首に移動するやつ。
コイン詳しくないけどこれは知ってます。
今だと改案作もいくつかありますが、ノーギミックノーエキストラで綺麗に消えて綺麗に出るので、スリーフライとは別の良さがあって覚えておきたいものです。

Firefly

マイケルルービーシュタインのマッチ手品。
箱のカバーが消えたり出たり手を貫通したりと楽しい手順です。
なんかテンヨー製品にありそうなギミックで、比較的簡単にあれこれできます。
特に最初の消失はめっちゃ綺麗すね。
火も使わなくていいし色々とお手軽な小品。
小品でもスペクタクルでさすがルービーシュタインという感じ。

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