マシュージェイドーデンによるパーティ手品集。
ラフな場でのリズム良いマジックばかりが収録されていて、パーティだけでなくどこでも演じやすいようなものが多いです。
演技動画はリアル客への演技で、決してマジシャンにとって都合のいいお客さんばかりではないのが生々しく、普通にバレてるところを力技と勢いで持っていくのとかそのまま収録されてるので面白いです。
1巻と2巻、どちらもスクリプトマヌーヴァから日本語字幕版が出ていますので、お客さんとの絡みなんかも楽しめて、ネタもインパクトあるものが多いので良く見ていました。
1巻のレビューはどっかに書いた気がするので2巻について書きます。
Card to Any Number
2枚の観客にカードを覚えてもらって、デックに戻します。
カードをテーブルに広げ、2人目の観客に1〜52の数字を聞き、その枚数目のカードを抜き出し、ボトルの下を見ると1枚のカードが下に置かれてて、それが1人目の観客のカードです。
2人目が言った枚数目のカードも当たっています。
完全フリーチョイスのエニーナンバー。
元アイデアはジョシュアジェイですが、かなり賢い手順です。
ただ、ボトルの下、エニーナンバーカードという順番でしか示せないので、ボトルの下の方がインパクト強くねって感じも否めません。
エニーナンバー系の1つの解決策というパズル的な作品であるような気がしないでもないです。
動き的には無駄がないのですが、やはり移動現象の後は盛り上げ方が難しい気がします。
Card To Any Location
デュプリケイトを使ったカードの移動現象について。
ただ移動してましたじゃなくてカードを消してその後移動しましたの方が移動感出るので、消し方についての解説です。
フォースと消し方がうまくいけばあとはなんでもありの無敵状態になれるので、どっから出すか考えるのが楽しくなりますね。
そのあたりは演じる場所によって、その場所ならでは感のあるところに移動するのが良いと思います。
MINI ME
カードを足にこすりつけると小さくなります。
バリエーションとしてカラーチェンジバージョンも解説されていて、コインのスペルバウンドみたいなもので、片方消して片方出す原理なので、消すクウォリティが大事になってきます。
かなり痒いところに手が届く解説で、言われてること意識しながらやると上達した気分になれます。
頑張れば本当に上達するかもしれません。
Card Out Of Wallet
演者のサイフにカードを一枚、観客のサイフに一枚入れてそれが入れ替わります。
ちょっと変わった手品財布の使い方。
サインカードでも演じられるので強烈です。
Card to Mouth
カードが何度も口に移動します。
最後はデックが消えてカードが1枚だけになり、そのカードも消えてまた口に移動します。
口にくわえるので場所は選びますが、即興で出来る移動手品で強いです。
この方デック消えオチ好きみたいですが、これの見せ方はとても強いオフビートの中で行われますし、最後にもう一度別の見せ方で口に移動を見せれるので、流れ的にも綺麗だと思います。
THE TIME MACHINE
まず最初にデックから4枚のQを取り出し、デックの中でカードを一枚裏向きにしておきます。
カードを1枚選んでもらってからサインを書いてもらい、4枚のQの中に入れると消えて、最初に裏向きにしたカードを見るとサインカードに変わってます。
サインドカードやミステリーカードのような感じの理不尽系入れ替わり現象ですが、タイムマシンという演出で演じられています。
あと、謎のカードをテーブルに置かないので、最後に挟んであれしなくていいです。
その分すり替えチャンスはありそうに思われそうですが、消失パートの説得力が強いのでそこまで気になりません。
カード示す部分はお客さんにカード広げてもらって抜き出してもらえますし、総合的なフェア感で言うとかなり高得点だと思います。
Birthday Card Prediction
選んでもらったカードにサインしてもらってアンビシャスカードを演じます。
その後財布を取り出すと、選ばれるカードが予言しているカードが出てきて、それを裏向きにすると観客のサインカードになってます。
普通にアンビシャスカードをやってるので、サインしたカードは何の説明もなくても普通のカードに見えますし、予言マジックとしても十分なところに大オチ。
くどいようで全部が繋がってるので、もうええわ感はありません。
いわゆる「カードわかってたら他の予言も同じ理屈で成立するやん」という盛り盛りではなく、物理攻撃がオチになってるあたりも好みです。
当然アンビシャスカードパートに制約は出ますが、そこまで無理しなくてもできるので、アンビシャスカードのリクエストがあった時はこういう変わり種をやるのも面白いと思います。
あと最近「フォースしてサイン」というのが好きです。
サインさせるからフォース感は減りますし、うまく使っていきたいものです。
Watch Steal Coin Through Hand
ワンコインルーティンからのウォッチスチールです。
ウォッチスチールしなきゃいけないのでコインスルーハンドを使うという演出ですが、このパートは結構微妙です。
フリの手順って、フリ自体も面白くないとオチが弱まる気がするのでもう少しどうにかならんのかなという感じ。
あと、お店に飛び入りでマジックをさせてもらうという許可をその場でもらったという話らしいのですが、そういう場でトラブルになったらどうするのかなーとか思いました。
ウォッチスチールって紙玉方式で盗られた人以外にはわかってるって演出じゃないとエンタメとして成立しにくい気がしてて、紙玉方式は紙玉方式で微妙な後味になるので、コインのオチならアンダーザウォッチで十分じゃないかなと思います。
なんにしても気軽に解説できるようネタではないので、このDVDだけでやり方覚えるには危険な感じがしました。
上の手順の他にラブアダブダブ、クラシックフォース、エルムズレイカウント、コインバニッシュの技法が解説されています。
現象はどれも魅力的で、生で見るマジックの楽しさが詰まったものばかりで、このぐらいの軽さがある手品は好きです。
手順自体は整備されているので、経験値たまるごとにうまくなっていきますが、最初は難しいのが多いと思います。
個人的にはTHE TIME MACHINEが気に入ってて、サインドカード的なものの中でも上位に入ります。
Birthday Card Predictionはアンビシャスカードじゃなくて、リバース現象の後に繋げるのが好きです。
PARTY ANIMALってパーティ好きという意味があるらしく、自分自身は全くの引きこもりなのですがウェイ系の人に手品を見せることが多く、性格的にウェイできなくても手品でウェイしたい時に役立ちます。
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