韓国のキムサンウォンさんが今年出した薄いレクチャーノート。
カードマジックが7つ(技法3手順3図画工作1)解説されています。
ピットハートリングとリーアッシャーがコメント出してるので読んでみました。
とても面白かったです。今年ベスト。
Spread Cull Double Turnover
自然なフォースにも使えるダブルリフト。
ちょっと難しいですが意外とストレスはなく、カードを演者が見ていいようなもので、すぐスイッチやコントロールが必要な手順には有用です。
カードをえらんでもらって抜き出すだけという動きの中でできるのがいいっすね。
Swing Cut Aces
本で解説されているのは裏向きの中から表向きが出てくるようなもので、ビジュアルも良いです。
マニア視点で見てもあれってなるような感じだし、スイングカットの動きだけでいけるのでスタンディングのコントロールの代わりにも。
Four Cards
1枚カードを選んでもらって、デックの中からそのカードの残りのフォーオブアカインド3枚が表向きに出てきます。
表向きのカードがデックのバラバラの位置に散ってるのが面白いところで、その前の手続きの正当化の流れで中にひっかり返ったカードが入ってないことを示せるのがクール。
最初読んだ時はこんなややこしいことする必要があんのかと思いましたが、やってみると不思議で気持ちいい感じです。
かなり好きになりました。
Stream Move / Leaf boat
この本の目玉であるSファンからのプロダクションとカード当ての手順。
このカードの変な動き、さぞリーアッシャーが喜んだことでありましょう。
かなり難しくて、やっと動きは理解したけどなかなか動画のようなストリーム感が出ません。
Sファンが大きく綺麗にできないと見た目悪くなるのでそこからかも。
理屈的にはベルトコンベアのように4枚出すのもできると思うのでそこまで頑張りたい所存。
Sungwon Control
Sファンでカードのフェイスを示しながらのトップコントロール。
角度が難しいけどStream Moveよりはまだなんとかなりそうな感じします。
Broken Canvas
両目真っ白のカードを4つに破って両面がビジュアルに印刷されるギミック。
工作はまあまあ大変な上に使い捨てでレギュラーカード以外の消耗品使うのでハードルは高いですが、その分インパクトは強いです。
面白い機構なので使ってみたいけど復活するわけではないので破る理由が必要にはなってきます。
印刷された後はレギュラーカードに見えるものが残るだけなので、何かしらの復活手順に繋げることは可能です。
工作がより面倒にはなりますが4つの破片全て別々のカードに変化させるようなこともできなくはないので、1枚のカードで4枚のカードを予言する的なのでもいいかもしれません。
というわけで、作品数は少ないながら新しいアイデアに満ちた素敵なノートです。
フルカラーの写真も多く文章もあっさりなので読みやすく、ぶっちゃけこれなら映像で頼んますという気もしないではないですが、薄いノートにおもろい手品が詰め込まれた感も悪くありません。
冒頭で今年ベストと書いたのは今年発売されたのをまだこれしか読んでないって話でもあるのですが、1年に一冊ぐらいこういう本が読めたら幸せ感はあって、次作が楽しみなクリエイターが増えたのは素直に嬉しいです。
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