by jun | 2021/02/28

2017年にTrickshop.comから出たMichael Breggarの作品集。
Linking Ringに寄稿してる人で、そこで人気が高かった作品を中心に収録されているそうです。
なんで買ったのか忘れてしまったのですが、読んでみたら演出とセリフにこだわりがあって面白い一冊でした。
手法はちょっと物足りない気もしましたけども、作業の動機付けが上手くいってるのが多く、それだけでモチベーションになる感じ。全8手順。

The Five Roads to Vegas

ジェミニツインズみたいな感じでロイヤルフラッシュの5枚のカードを予言していて、他がブランクカードという手品。
ガスタフェローのGemini Squaudと似てますが、こちらはジェミニツインズの原理を更にシンプルにしたような作りで、その作業が演出にも合っていて上手いです。
ロイヤルフラッシュ、予言、ブランクと、最初だけ出来れば後は実は不思議さは変わらないのに段階的に盛り上げる見せ方も、この演出だと楽に出来る気がします。
多くの観客に参加してもらえるのも良く、良い感じでランダム感な感じ出てます。

Three Numbers and a Lady

4桁、3桁、2桁の数字を書いてもらい、4桁、3桁は普通に当たります。2桁の予言にはトランプのカードが書かれていて、その数字分配るとそのカードが出てきます。
OAの処理として面白い見せ方です。
少し工夫する必要はありますが、事前にカードマジックをやっていれば更にハマる現象だと思います。
さすがにこのままやるのはちょっとという手法ではあるので、何かちょうど良いACAAN系のトリックと組み合わせたいところ。
OAさせる方法も工夫があってよかった。

Coin-Seyan Economics

2種類のコインでやる予言。
ミラスキルの原理を使うもので、プレゼンテーションもなんでそういう予言の仕方をするのかというところが解消されてて良い感じです。
ミラスキルの作業にも理屈がついていてこのセリフはとても気に入りました。
クライマックスがあるのですが、これはややこじつけっぽくて微妙。
原理と最初に書いていたものが別の意味になる感じは面白いのですが。

Drawing on Emotions

観客と演者が同じ絵を描くメンタルマジック。
絵の主題は30枚のカードの中から選んでもらうものですが、その言葉から連想されるものはいくつもあるような感じになっていて不思議。
ステージング勝負みたいなところもある手品ですけど、メンタル現象を見せる時の作法みたいなとこ含めて勉強なりました。

The Cure for the Common Bored Game: Monopoly-S-P

モノポリーを使った予言現象。
カードマジックのフォースを使いますが、これが道具にマッチしていて良い感じ。
セリフも道具に合った演出も面白いけど、日本だとわざわざモノポリーのカード出しても引きがないのが残念。

A Principle in Search of an Effect

カードの予言現象です。
ある方法で数字を決めてその枚数目のカードを予言する的な感じ。
Karl Fulvesの”Color of Thought”のちょっとした改案なのですが、原案より当たり前のことが起きてるだけ感が薄れています。
しかしまあそこよりもうちょっと気になるところはそのまま残っていて、そこが当たり前のことが起きてる感を強めるポイントでもあるのでもう一工夫欲しいところではありますが。

Self-Fulfilling Prophesy

プロフェシームーブと同じ効果をちょっと別のやり方で。
作業自体が長くなるので、観客が差し込んだ位置を強調するトリックには向きませんが、何かこれに合ったトリックもあるような気がしないでもないです。
例として解説されてるトリックはそういう意味では微妙。

Absolutely ACANNY

ACAANというか、2枚のカードで1枚のカードを作って、それがエニーナンバーのとこから出てくるもの。
ジョンバノンやジョンキャリーが近いことやっていた気がします。
ほぼ即興で出来るし、2枚のカードで1枚のカードを作るとこの理由もわかりやすいし、良いトリックなのではないでしょうか。
他にもCAANのアイデアが3つ紹介されてますが、そんなに目新しいものではないです。
手法ごとのセリフや見せ方の違いは参考になるかと。

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